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赤岡 克昭; 宮部 昌文; 音部 治幹; 若井田 育夫
レーザー研究, 42(12), p.918 - 922, 2014/12
次世代炉心燃料として期待されている低除染マイナーアクチノイド含有混合酸化物燃料の迅速で簡便な遠隔分析を実現するために、レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)の適用の可能性について評価した。模擬燃料試料として少量のネオジム酸化物(NdO)を含んだウラン酸化物(UO)を使用し、Ndの異なる濃度の試料についてブレークダウンスペクトルを取得した結果、多数のスペクトルが同定される一方、スペクトルが複雑でその重複も観測された。濃度の定量分析特性を評価するためには、対象のスペクトルを分離する必要があることから、デコンボリューション法を適用して重複したスペクトルを分離し、そのスペクトル強度を決定した。決定された値を用いて検量線を求めた結果、濃度に対して直線性を示し、700ppmの検出下限値が得られた。核燃料物質のように、複雑で重複したLIBSスペクトルの解析には、デコンボリューション法の適用が有用であることが示されるとともに、本法の適用により次世代燃料の定量分析の可能性が示唆された。
東條 隆夫
JAERI-M 83-062, 48 Pages, 1983/04
タイム・ピックオフ技法の分解時間におよぼす効果および分解時間がバックグラウンド抑制係数におよぼす効果を、Ge-NaI(Tl)アンチコインシデンス・スペクトロメータに対して検討した。このスペクトロメータは、スロー・ロジック系を採用して極微弱放射能測定用に設計したものである。一連の測定の結果、(i)コンスタント・フラクション-リーディング・エッヂ・タイム・ピックオフを用いたとき、最短の分解時間0.8sで、自然線に起因するもののみならず二次宇宙線に起因するバックグラウンドをも抑制できる、(ii)661keVおよび1332keVにおけるバックグラウンド計数率はそれぞれ、7.510(1/s・keV)および2.310(1/s・keV)であり、(iii)40k秒の計測時間におけるCsに対するこのスペクトロメータの検出限界放射能は、1.5pCi30%である、などの事柄が明らかになった。これらのほか、バックグラウンドに対する二次宇宙線の寄与などの検討も行われた。